『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版』をわかりやすく解説

2018年11月25日

多くのアフィリエイトサイトなどでよく引用されている、『男性型脱毛症診療ガイドライン』ですが、これが一体なんの目的で作られ、またなんの役にたつのか、についてはあまりよく知られていません。

そこで、原文を読んだ上で要点をまとめてみましたので参考にしてみてください。

日本皮膚科学会が発表

1900年に創立された、皮膚に関するれっきとした医師による学会です。

変な組織が勝手に作ったものではないということはハッキリと断言しておきたいと思います。

男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインとは

脱毛症、ズバリ言ってしまうとハゲ・薄毛に関する部分ですが、最近では男女問わずその悩みはとてもとても深いものです。

特に思春期や若い人ほどその悩みは大きく、また経済的な余裕がないので、正しい治療をやりたくてもできないという現状があります。

そうした人が科学的根拠に基づかない民間療法に安易に手を出してしまい、失敗するケースを憂い、だったらハゲの人たちはこれからどうやっていけばいいのかをハッキリさせようじゃないか、ということで発表されたのが、この『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン』というわけです。

たくさんのサイトで引用されまくっているのはなぜ?

簡単に言うと、皮膚科の医師がみんな言ってるから信用できる、というところに尽きます。

ただ一人のお医者さんが勝手に言ってるケースならともかく、医師の学会、それもハゲに密接に関連した皮膚科の医師が団結して発表してるわけなので、みんな信用するに決まってます。

では気になる内容に迫っていきましょう。

ハゲ治療のいろいろな方法を吟味して、ランク付けしたもの

ざっくり言ってしまうと、そういうことです。

プロペシアとか人工毛植毛とかかつらとか、とにかくいろいろなハゲ治療方法を以下のように分類しているのが、ガイドラインの根幹部分です。(以下引用)

  • A.行うよう強く勧める
    (少なくとも1つの有効性を示すレベルIもしくは良質のレベル II のエビデンスがあること)
  • B.行うよう勧める
    (少なくとも 1 つ以上の有効性を示す質の劣るレベル II か良質のレベル III,あるいは非常に良質の IV のエビデンスがあること)
  • C1.行ってもよい
    (質の劣る III~IV,良質な複数の V,あるいは委員会が認める VI のエビデンスがある)
  • C2.行わないほうがよい
    (有効のエビデンスがない,あるいは無効であるエビデンスがある)
  • D.行うべきではない
    (無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある)

A、B、C1の3つまではOKで、C2は効果なさそう、Dはむしろ被害を受けるのでやるな、そういう分類ですね。

エビデンスってなに

一言でいうと、『科学的根拠』です。

でも実際にはもっと細かく分類されていて、例えば有名な先生が『これ、めっちゃ効くよ!』って言ってるけど、そういう研究結果があるわけでもない、という微妙なケース。

それでも素人が言ってるよりは信頼できるよね、ということで、こういうケースはエビデンスレベル1~5あるうちの、5に該当します。(1が一番強い)

一方で、システマティックレビューやメタアナリシスに関しては、エビデンスレベル1(一番強い)というわkです。

システマティックレビューは、過去に行われた臨床研究を網羅的・系統的に調査して同質の研究を集め、バイアスの危険性を評価しながら分析・統合する方法です。代表的なものに、Cochrane レビューがあるけど、たぶん聞いたことがあるんじゃないかな。
さらに臨床研究を信頼できるものにしぼり、それぞれに重み付けを行ったうえで、効果指標の値を統計学的手法で定量的に統合する方法がメタアナリシスです。
–今さら聞けない医学統計の基本(https://www.bayaspirin.jp/ja/home/imasara/series_index/toukei/no1/commentary4/)

わかりにくいですね。

要するに、偏った統計ではなく、バイアスをできるだけ排除した研究のことですね。

そういうものは信頼できる、というわけです。

では種々の治療方法をレベル別に分類した、いわば『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版』内容を紹介します。

 

AからDまで5種類(Cが1と2の2つにわかれている)ありますね。

『D』= 『行うべきではない』は2種類

人工植毛手術と、ミノキシジルの内服です。

人工植毛は、自毛植毛が流行する前からあったもので、繊維でできた人工毛を植える手術です。

異物を埋め込むので、当然拒絶反応が出ます。

いまは実施している国内のクリニックはゼロだと思います。

 

ミノキシジルの内服とは、ミノキシジルタブレットのことですね。

塗る方のミノキシジルはAなのに、飲むのはヤバイ、と言っているわけですね。

 ミノキシジルは降圧剤として開発されたが本邦では 認可されていない.また,男性型脱毛症に対する治療 薬としても認可されている国はない.それにもかかわ らず,全身の多毛症を起こす副作用があることを根拠 に,医師が安易に処方したり,一般人が個人輸入で入 手し服用することがあるので,医薬品医療機器等法の 観点から問題視されている.

問題視されてるんですか。

実際死亡者も出ているので、ミノキシジルタブレットに安易に手を出すのはやめたほうがいいでしょう。

『C2』=『行わないほうがよい』は、『意味ない』ということ

成長因子導入とか細胞移植療法とか、最近AGAクリニックで耳にするワードです。

ダメというのではなく、効果が実証されていないので、結果でないかもよ?という意味のC2です。

 A,B,C1はいずれも効果が検証されている

これらはエビデンスの度合いによって分類されていますが、先程の図を見てみると『かつら』がC1に入ってるんです。

これっておかしいですよね?

かつらは薄毛治療とは別物ですよ。帽子かぶってるのと同じで。

QOL(どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか)をアンケートしたそうですが、それもたった26人。

意味不明ですね。

一方で自毛植毛はB。これは明らかに変。

自毛植毛は、定着率95%程度あるので、元通り毛が生えてくる、現状唯一の方法と言っていいでしょう。

それなのにB。

自毛植毛術の有用性に関して,男性型脱毛症 や女性型脱毛症に対するシステマティック・レビュー やランダム化比較試験は実施されていない.しかし, 2015 年度において世界全体で 397,048 件(男性 84.7%, 女性 15.3%)の自毛植毛術が実施されている68)

システマティック・レビュー やランダム化比較試験が実施されていないことを根拠にBにしているのは、妙ですね。

例えば、両方Aのデュタステリドとミノキシジルの外用をやっても、元通り毛が生えてきたという実例を見たことがありません。

結論: 『D』とかつら以外は、普通にやってOK

かつらをCに入れているあたり、僕はこのガイドラインに陰謀チックな雰囲気を感じます・・・(笑)

ただ『D』に関してだけはまず間違いないので、それ以外は試してみてOKと捉えておきましょう。

それに、人によって合う・合わないがあるのが薄毛治療です。

AGAや育毛剤に関するウソをバッサバッサと斬る!
何も考えず闇雲に対処しているとどんどんハゲてくるかもよ・・・